レディ・ガガが演じるグッチの栄華盛衰の物語「ハウス・オブ・グッチ」を観てきました

私の大好きなレディ・ガガが出演しているという話しを聞き、これは観なければということで映画「ハウス・オブ・グッチ」を観てきました。

ゴッドファーザーが大好きなので、名優アル・パチーノとレディ・ガガが共演しているというだけでキャストは豪華でした。

映画としては、グッチ一族の物語を淡々と映画化したという感じで、エンターテイメント的な面白さは物足りない作品でした。

しかし、世界中に知れ渡るハイブランドのグッチの破滅と再生の物語は、典型的な栄華盛衰の物語で、その実際のストーリーそのものだけでも十分映画にする価値あるものでした。

自分たちのエゴ(我欲)を満たすことを追求していってしまったグッチ一族は破滅してしまいました。

しかし、優秀な経営者やトム・フォードがデザイナーとして参画することで、グッチは復活していきました。

トム・フォードは「人を輝かせる」ことを信念に、従来の伝統を守りつつ、革新的なものを生み出すクリエイターとしてグッチで成功し、その後、独立して自分のブランドを創り、短期間でハイブランドの仲間入りして大成功しています。

自社利益を優先して破滅の原因となってしまったひとつの興味深いエピソードがありました。

グッチの複製品(レプリカ)が市場に出回っていることが問題になった時、それに対処する方向性として、自社が儲けるために、複製品の流通を許すのか、富裕層向けのハイブランドという品質(希少価値)を守り通すのかというやりとりがありました。

複製品が流通した方が、知名度が広がり、グッチ本体の売上も大きくなります。

グッチの経営者は「複製品が出回った方が儲かるから良いんだよ」といいました。

ブランドを愛する、守りたい立場の人からすると違和感のある話しでした。

自社を守るのか、顧客を守るのか、という論理です。

これは、コンサルティング&教育ビジネスも同様です。

自社の利益を優先するのか、顧客の成功を優先するのか。

顧客の数を増やせば売上は増えますが、サービス品質は下がります。

「自社利益」を求めるのか、「品質(顧客満足度)」を求めるのか。

経営の明らかな真理ですが、自社利益優先でビジネスする経営者が多いことが不思議です。

「顧客を輝かせる」そこに信念を持つブランドはどの業界も顧客満足度高く、トップブランドを創っていきます。

その決断は、「自利」か「利他」か。

常にこれを自問自答しながら、王道(正しい道)を歩んでいきたいものです。

顧客から愛されるブランドは、創業者一族の手から離れても、優秀な経営者やスタッフの元、継承されていくというところも重要なポイントでした。

グッチのブランドストーリーに触れることで、自社のブランド創りを考える良い刺激にはなりました。

また、この映画の物語の根本は、貪欲なまでに成功を求めるグッチの妻パトリツィアになりますが、そのパトリツィアを演じるレディガガから「成功を求めるハングリー精神」がひしひしと伝わってきました。

「貪欲に成功を求めるハングリー精神」は、レディ・ガガ自身の生き方ともマッチしていて、このレディ・ガガの演技力(存在感)が、映画「ハウス・オブ・グッチ」で追求した一番の魅力なのかもしれません。