ビジネスにおいて、「時流を抑える」というのは、とても大切です。
時流を抑えることで、今後これが来るのではないかというビジネスチャンスを早めにキャッチして、タイミングをみてしかけていくことで、新しい商品や事業を創りだしていくことができるようになります。
時流を抑えるためのマクロ環境を分析する方法として「PEST分析」があります。
「PEST」は、以下の4つの頭文字をとっています。
Political:政治的動向
Economic:経済的動向
Sociological:社会的動向
Technological:技術的動向
PEST分析は、この4つの視点からマクロ環境の動向を把握し、その動向からどんなビジネスチャンスを生み出せそうかのビジネスアイデアを出していきます。
マクロ環境分析の代表的な手法になりますので、ぜひマスターしていきましょう。
時流分析「PEST分析」のやり方
PEST分析の実践方法について解説します。
1.マクロ動向の情報収集する
マクロのトレンド情報を情報収集する方法は、新聞、ニュース、ネット、本、業界新聞、業界専門誌、ビジネス雑誌、有識者へのインタビュー、顧客インタビューなど色んな方法があります。
新聞や雑誌などの情報を一括して検索できる記事検索サービスを利用するのも有効です。
代表的なサービスとして、「日経テレコン」が有名です。
2.マクロ動向を理解する
Political:政治的動向
政治的動向では、政治や法規制などの重点トピックスを把握します。
国が力を入れて推進する政策は、補助金の支援が提供されたりするケースも多く、国や政府が注力する政策は実施するのは企業の力が必要になりますので、ビジネスチャンスにも繋がりやすくなります。
例)デジタル化の推進、スタートアップの推進、補助金、教育改革。
Economic:経済的動向
経済的動向では、景気、株価、企業の動向などの重点トピックスを把握します。
例)円安、自律型キャリア形成、副業や起業の増加。
Sociological:社会的動向
社会的動向では、人口動態、社会トレンドなどの重点トピックスを把握します。
社会に生まれている問題は、新規事業の解決テーマに繋がってきます。
例)少子高齢化、未婚率の向上、外国人労働者の増加、シェアリングエコノミー、ダイバーシティー、幸福度の低下。
Technological:技術的動向
技術的動向では、技術革新や注目されている技術トレンドなどの重要トピックスを把握します。
新しい技術活用は、ビジネスモデルを変革する武器に繋がったり、既存商品の付加価値アップ、新商品アイデアにも繋がってきます。
例)YouTubeの活況、eラーニング、AI、ロボット。
3.ビジネスアイデアを検討する
PEST分析で掴んだマクロ動向の重点トピックスから、自社のビジネスにおいて、どういうビジネスチャンスに繋がりそうかというビジネスアイデアを出していきます。
あくまでもビジネスアイデアのブレインストーミングなので、正解・不正解を気にせず、まずは色々とアイデアをだしみるのがポイントです。
アイデアを発散していくと、「新規事業や新商品の重要になりそうなアイデア」が見えてきたりします。
そのヒント(手がかり)を掴むのが、このPEST分析の目的であり大事なポイントです。
時流分析「PEST分析」の実践事例
時流分析の実践事例をご紹介します。
新規事業開発を支援している当社の観点から、実際にPEST分析をした実践事例になります。
マクロ動向のトレンドを把握したり、ビジネスアイデアを抽出するのが目的で、特に正解があるわけではありませんので、ブレスト感覚で、気になったトピックスやアイデアをこのフレームワークを活用して整理するというような使い方になります。
ビジネスアイデアは、色々と発散してから、重要度の髙いものを選択して「◎」でマーキングしています。
事業戦略を検討する上での重要なアイデア(手がかり)を得ることができます。
また、市場データなどの参考となる情報は、商品企画や提案資料作成時などにも活用できる有用な情報になりますので、そうした参考情報は、データを管理しておき、あとからも使えるようにしておきます。
参考データ:国内eラーニング市場規模の推移(引用元:矢野経済研究所調査レポート)
時流分析「PEST分析」のまとめ
重要なので繰り返しますが、ビジネスにおいて、時流を抑えるというのは、とても重要です。
特に、フロント商品(集客商品)は、この時流を踏まえたものにすると、ヒット商品になるケースがよくあります。
私も2013年に日本でも動画マーケティング元年といわれはじめた頃から、動画マーケティングのコンサルティング事業に参入することで、動画マーケティング市場の成長とともに、大きな事業へと成長させることができました。
また、2020年コロナショックが起きた際、日本中でオンライン対応が急務とされましたが、その時にオンライン対応をサポートすることをミッションとして、「ZOOMの使い方」を支援するフロント商品を創ることで、大きなヒット商品になったことがありました。
ヒット商品を作るには、早すぎても、遅すぎてもいけず、ジャストタイミングというタイミングの見極め目も大切になってきます。
ライバルの多くの人がやりはじめてからというのは、時すでにもう遅かったりします。
ライバルがまだあまり参入していないうちから、先行者優位のポジションを取ることで、いいポジションを取っていくことができます。
そのために、マクロ動向を掴み、今後これが来るのではないかというビジネスチャンスを早めにキャッチして、タイミングをみてしかけていくことで、新しい商品や事業を創りだしていくことができるようになります。
新規事業、新商品開発において、「時流分析」はマスターすべき重要なスキルのひとつになりますので、ぜひ実践を積み重ね、ヒット商品企画に繋げられるよう、マスターしていっていただければと思います。
時流分析は、最低でも1年に1回、商品企画のサイクルを早く回したい方は、半年に1回、四半期に1回と事業環境分析の実施サイクルを早めると、よりスピーディーに事業環境の変化を掴みながら、売れる商品の企画に繋げていけるようになります。
時流の変化がどんどん早くなっていますので、理想は、四半期に1度、フロント商品やキャンペーンを企画するのが良いのではないかと、個人的には考えております。
ぜひ実践してスキルアップして、マネジメントサイクルのスピードを速めて、売れる商品企画に繋げていけるよう目指していきましょう。