顧客分析のやり方

顧客分析 顧客理解

顧客分析の目的

顧客分析では、どんな顧客がどのようなニーズやウオンツを持っているかなど顧客を理解することが目的になります。

対象顧客にヒヤリングやアンケートを行い、同じようなニーズを持つ顧客をグループごとに整理していきます。

このグループに分ける(分類する)ことを「セグメンテーション」といいます。

顧客理解の基本的な考え方

顧客を正しく理解するために、「ニーズ」と「ウオンツ」と「デマンド」の違いを知っておくことも重要になってきます。

ニーズ:「必要性」

顧客が持つ「痛み」(この悩みや問題を解決したい)や「願い」(こういう状態になりたい、これを成し遂げたい)になります。

ウオンツ:「欲求」

ニーズを満たすための具体的な手段や解決策になります。

デマンド:「需要」

ウオンツの具体的な欲求の中で、お金を払ってでも欲しいという強い欲求のあるものが需要になります。

顧客理解の深度

顧客理解では、この「ニーズ(必要性)」「ウオンツ(欲求)」「デマンド(お金を払ってでも解決したい強い欲求)」を理解することが重要です。

・顧客はどんな状態になることを求めているのか?(ニーズ理解)

・そのために、どんなことを解決したいと思っているのか?(ウオンツ理解)

・お金を払ってでも解決したいと思っていることは何か?(デマンド理解)

「ニーズ」「ウオンツ」「デマンド」に細分化して顧客の求めているものを理解することで、顧客を正しく理解することができ、顧客の求めるもの(商品)を企画する基礎となります。

「顕在ニーズ」を理解する

「顕在ニーズ」と「潜在ニーズ」という言葉もあります。

「顕在ニーズ」とは、顕在化しているニーズ(必要性:痛みの解決、快楽の実現)のことです。

強い問題意識やこの願いを叶えたいという強い願いを持っている状態が、
「顕在ニーズがある」という状態になります。

一方、「潜在ニーズ」とは、まだ問題に気づいていなかったり、問題意識が低い状態です。

正しい知識を教えて、「潜在ニーズ」を「顕在ニーズ」に変えていくことが必要になります。

「潜在ニーズ」を「顕在ニーズ」に変えた有名な事例として、「老後2000万円問題」があります。

日本国民がなんとなく漠然と不安に感じていた老後に必要なお金の問題(「潜在ニーズ」)を、最低2000万円は必要ですとロジカルな理由を通じて、必要性を明確にして、「顕在ニーズ」に変えていきました。

この顧客理解の作業では、顧客が「顕在ニーズ」として現状意識していることを理解します。

営業の段階で、「潜在ニーズ」を顕在化、そして、解決策をお伝えしながら、ウオンツやデマンドを引き出し、商品購入へと導いていきます。

「潜在ニーズ」を顕在化していくのは時間や手間暇かかりますので、
「顕在ニーズ」の強い有望な見込み顧客を見つけるというのが、顧客理解で大事になってきます。

顧客分析のやり方

STEP1.顧客分析の目的と分析項目を明確にする

顧客分析で抑えるべき項目

顧客分析では、「基本情報」「現状」「願い」「悩み」「解決したいこと」「購買行動」「購買決定要因」の要素に分けて理解していくと、効果的に顧客理解することができます。

STEP2.顧客にヒヤリングする

既存顧客向けに新商品を開発する場合は、優良顧客(上得意客)を中心に10人〜20人程度にヒヤリングもしくはアンケートで、どんな不満、悩み、願い、具体的な解決欲求があるかを把握します。

全くの新規事業の場合は、見込み顧客に近い属性の人を中心に10人〜20人程度にヒヤリングもしくはアンケートで、どんな不満、悩み、願い、具体的な解決欲求があるかを把握します。

「顧客の発する言葉で理解する」というのも大事なポイントになってきます。

顧客に直接ヒヤリングをしていると、顧客が何度も繰り返す言葉や文脈があったり、その言葉を発する時に目が輝いたり、表情が明るくなったりすることに気がつくことがあります。

ここに顧客を動かす大事なポイントがありますので、「顧客が大事にしている言葉や文脈を理解する」というのが大事になってきます。

この顧客を動かす言葉や文脈は、キャッチコピー作り、商品の内容作り、営業ツール作りなどに活用することができます。

顧客分析の実施事例

顧客理解

最低10人、できれば20人程度にヒヤリングやアンケートを行い、顧客情報を収集し、このように一覧化します。

多くの情報を書き出すと見にくくなりますので、各項目、重要な要素を3つ程度に絞って整理すると俯瞰しやすくなります。

ヒヤリングではしっかりと多くの情報を情報収集し、分析シートにまとめる時は、「重要な要素にしぼりこむ/重要な要素を明確にする」という流れになります。

STEP3.顧客をグループ毎に分類する(セグメンテーション)

顧客の属性やニーズ(願いや悩み)を基に、商品企画しやすい形で顧客をグループ分けします。

顧客の属性となる基本的な要素をBtoBとBtoCに分けてそれぞれあげておきます。

BtoBの場合

地域、業種、社歴、事業規模(年商、社員数)など。

BtoCの場合

居住地域、性別、年代、学歴、職業、年収、性格、ライフスタイル等。

顧客を分類する際、「当該テーマの経験や習熟度」で整理するのが有効な時もあります。

顧客のグループ分けの実施事例

セグメンテーション

上図の例では、「顧客セグメント(分類)」を「終活準備」「実家の処分」「自分史」というニーズを基に分類分けしています。

顧客分析のまとめ

ビジネスで最も大切なことは「顧客を理解すること」になります。

顧客が今、どんな問題を抱えているのか?

どんな問題を解決したいと思っているのか?

どんな状態になりたいと願いを持っているのか?

顧客のことを理解していくことで、顧客への「共感」が生まれます。

顧客を理解し、顧客の問題解決にベストな商品を作ることで、「売れる商品」が生み出していくことができます。

顧客理解する上で、「ニーズ」「ウオンツ」「デマンド」だけでなく、顧客の性格や特徴、購買行動や購買決定要因(判断基準)なども理解していく必要がありますが、それらは、顧客設定する段階で明確にしていきます。

顧客分析も2ステップで行うイメージになります。

今回の第1ステップでは、まず広く浅く顧客を理解し、セグメンテーションでグループ分けする。

重要顧客を特定してから、重要顧客を詳細に理解する際、一般的にペルソナを作るといわれたりもしますが、その第二ステップにおいて、顧客の性格や特徴、購買行動や購買決定要因(判断基準)なども深く理解していきます。